085888 ランダム
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SweetPain





「コントロール」

あの根っこまで
抱っこして


危険のありかを
数字で述べよ


もう
さりげないとか
言わないで


君が望んだことだろう?


笑うフリして
放り投げ
首に手をかけた一瞬で
ねえ
うやむやにしちまって


もう
ささやかだとか
言わないで


あまりにも 空虚


君の生き方も
その存在でさえ


感情を伴わぬ 涙が一粒


ああ
弱者の腐敗するニオイ




制御不能な自己弁護




誰か
呪い殺してやってくれよ


価値あるとでもおもってる?


くだらない


許してなんかやらないさ


それでもう
いいだろう?


溜息すら 聞えない




聞きたくないんだ








「遺言」

独り 風上から手を振る貴方を
いつも
追いかけてゆきたいと思っていました


透き通る眼は
光を拡散して
まるで
夢でも招いているようで


あれから


私はまだ貴方の残像を追いかけています


そこかしこにちりばめられた
貴方の残像を
この手のひらですくいあげようとしています


無駄な手首は無様に折れて


体が交われば 全ては過去になれたでしょうか?
夢は夢で終われたでしょうか?


独り 風下で思い出に打たれ 泣いて


あれから


私はまだ貴方の残像を追いかけています


誰に抱かれても 誰に委ねても
その果てにある 貴方の姿を


見るはずもない 二人の行方を








「枯れゆく風」

幻想を
見てました


何もないのは
あまりにも 寂しいからと


冷たい風を杖に
崩れそうな この身を抱いて


血液さえ
言うことを聞かないこの世界で


わたしは
何を見てたでしょうか?


何を離したく なかったのでしょうか?


小さな
夜と朝の振動に
何もかも
任せて 眠ればいい


しがみつくよな
子供の顔して


娼婦の実をこの足で潰しながら



真っ赤な大粒の雨 じんじん 滴らせて








「寂 募り」

寒 募り
あまたに背中凍るるは
囁く季節 掠める冬


寂 募り
乞ゆる涙流るるは
雨の晩秋 匂ほふ冬


情にさとされ
愛にからだ洗わること 願へど


雨は降りなむ
宵の月 隠すよに
情寂 まして 迫るよに


かじかむ両手に
祈るは 純白


雪 降りいでたもう
この心に降り積もらせ
純白
この心を降り積もらせ


情にさとされ
愛にからだ洗わるること 求へど


流るるは 流れたまま
純白に 身を委ねる こともなく


雨は降りなむ
宵の月 隠すよに
情寂 まして 迫るよに




寒 募り
寂 募る


真冬の訪れ








「秋の朝」

大人気なく
わがままに
振りまいて


秋の色
軽やかに染まる


ごめんね
ささやかな夢


起きだして
羽ばたいて


消えてった


頬覚ます朝日に
負けてしまったの


流れはここで


また
会う日まで


秋の色
軽やかに


さよなら
ちいさな夢








「果実」

招かざる客
その果実の
腐敗する音を聞いて


どこかが
白くなれば なるほど
また
どこかも
黒くなって いくのだと


まるで意味の分からない
階段の踊り場に
わたしは ひとり


がさがさと
果実 崩れて
それは
夢?


一人掛けのソファ
足を組み
招かざる客 ひとり


ふたりは
孤独と言う名の兄妹


「兄さん」
「妹よ」




白を被った黒い果実 腐肉の甘い毒




侵食がはじまる

深く


決して 止まらない
侵食が








「まぼろば」

苦しまないよに
光を消して


飛ばしたのは
目に見えぬ影


何もなく
果てしなく


どこまでも続く道


祈り捧げる
君の遠吠え


夢は もう覚めたかい?


片隅にそっと
涙を捨てて


苦しまなければ
光は 見えた?


飛べなければ
影は 踏めた?




最初から意味なんかない


行為に 意味なんかない








「ゆびきりげんまん」

夕べをねだる悪戯っ子
ママのおっぱい
埋もれて おやすみ


眠れないなら
お唄は明日
いい子にしてたら
うたってあげる


ゆびきりげんまん はりせんぼん


駄々っ子 わがまま
口べらし
お山の奥に捨てられた


ママのおっぱい もうないの


どこ探しても もう ないの


お前に 理由はないんだよ
探せば醜くなるだけさ








「儀式」

夢のかなわない夜には
このカラダを撫でる


ゆっくりと皮膚に剃刀をあて
そっと体毛をなで上げる


すべるようにして
きれいになれるのなら

まだ
明日のあるような気がするから


誰もいない日には
一人 歌を綴る


この細い指は私の僕
言葉を懸命に捜しにゆく


私だけの言葉を


吐き出してしまえば


まだ
明日のあるような気がするから


今を生きるしかないのに
明日を思う私は
とんでもない愚か者かしらね


なんてね


ああ
今だけを喰らいたいわ 本当は


どうしようもない愚か者








「声にならない」

誰かこの部屋に鍵をかけて
電気を消して
毛布をかけて
静寂をこの手に


そして
いたわらないで
話し掛けないで
愛など
語らないで


そうでなければ
誰も私を知らないところにさらって
そこに
置き去りにして構わないから


時間など
一人でいれば
なんの気にもならない


忘れてしまえばいい
私の事など

忘れてしまえばいい


優しさなんか
この胸を苦しくさせるだけ


お願いだから
放っておいて!!










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